junie's blog

2020中受終了息子の備忘録と入学後の徒然

うちの算数男子(後編)

今聞くと息子は「家庭教師の先生がいなくてもサピだけでいけた」と恩知らずにも言うのですが、親からすれば(家)先生のおかげで持ち直したとしか言いようがありません。 

学校も塾も優秀な先生ばかりでしたが、子供の性格によって、相性もあります。
学習のペースを崩し、学校、塾、親へ頼り方すらわからなくなっていた息子にとって、人の目を気にせず、親身な指導をもらえる相手がどうしても必要だったと思います。(お高いので長期間は無理でしたが・・・)

わが家の場合、算数を中心に週一回2時間の指導という条件、本来かかっていただろう塾代とトレードする月4-5万という条件で、塾のない日に数回にわけて、3人ほどお試しで来ていただきました。塾の成績表や答案をお見せして相談したところ、たちまち息子の問題点を見極め、適切な問題を使って上手に解説してくれました。

費用や曜日など折り合わなかった方を除いて、ようやく出会えたのは、三、四十代だったでしょうか。威圧感のない穏やかな先生でした。

(家)先生から「お子さん理解力はありますから大丈夫です。計算ミスを減らして、過去の単元をいかに復習していくかが大事です」と言っていただき、頼れるお兄さんのような先生に、息子はすぐに懐きました。

それからの私の役割は、学校と塾のスケジュール連絡、週テストの前にテキストから重要問題を10題ほどピックアップして解かせる、わからなかったところを指導時間にやれるよう準備することなどでした。家庭学習へのテコ入れが始まった瞬間でした。

4年の夏休み期間は、(家)先生に算数強化のマップを作ってもらい、毎日算数に触れる時間を作りました。理科も理解が今一つの地学、生物分野を丁寧に指導してもらいました。

おかげで、秋の終わりごろから少しずつ持ち直し始めたと思います。息子も家でやるべきことが明快になり、学習ペースを取り戻しつつありました。その一方、息子への働きかけを何もしてくれない塾への不信が増していく母。危機感でいっぱいでした。

思いきって(家)先生に転塾の相談をしたところ、「性格的にサピが合っているお子さんなので、移るなら早い方がいい」と言われました。

サピか、うちの子サピに合ってるのか…?今まで感じていた違和感、それは塾との相性だったのか…?算数男子ならたとえクラスは下でもサピに行っとけばよかったのか…?

息子もあっさりと「サピのほうが学校でいばれるし」と(受験小あるある…)、乗り気で、さっそく転塾を目指すことにしました。

2月の新5年サピ春期講習入室テストを受けたところ、真ん中より少し良いぐらいになっていました。春期講習の受講を決め、日能研の春期講習をお断り。当初の理由は「新五年で特待を継続できなかったので、苦手単元を家庭学習で進めたい」でしたが、後日、菓子折りをもって、退塾を伝えました。

春期講習終了と同時にサピ入会。サピライフが軌道に乗るまで、(家)先生には6月ごろまで続けてもらいました。さすが、どちらのカリキュラムにも詳しくて、取り組み方の違いをしっかりフォローしてもらえました。

息子も背中を押してもらいながら、走り出せたと思います。
今更ながら、学校では日能研組が少数派でつまらなかったようで、さっそく多数派のサピ組に仲間入りできたのも嬉しかったようです。

サピのテキストは息子に合っているようでした。リ・スタートということで気合も入ったのか、サボり癖も鳴りを潜め、7月のマンスリーでは5ポイントもアップしたのでした。

5年の秋になると志望校調査が始まり、学校も塾も中受へ向かっていく雰囲気になります。ようやく学校の授業も楽しくなってか、「僕の解き方が一番いいってみんなに褒められた」と喜び勇んで帰ってきたり、定期テストも平均を上回ってきたりと、上位層の仲間入りができたと自己肯定感がアップしていたようです。

学校でクラス一の秀才君(α1)と親しくなれたのもよい効果で、授業へ積極的に参加するようになりました。このあたりは、親がいくら言ってもむだな話で、友達だとすんなり導いてくれるものなのだなと実感したものです。

塾の質問教室にも、最初は行き渋っていましたが、一度質問教室を覗いたら、満員御礼ぶりに驚いたようでした。どうやら日能研では居残って質問する子は稀だったようです。おずおず並び、当日のテキストを開いたところ、当日分の質問はしないというルールを周りの子に指摘されてしまいました(自分で一度復習することを促すためだそう)。しかし、先生はまだ新しい子だからいいよと対応してくださったそうです。

それで喜んで、次からはルールを守って質問教室に行くようになりました。

しばらくすると、秀才君に聞けばすぐ解決することを知り、そこで済ませるようにw(感謝)。

学校で塾のテキストを広げても誰も気にしない、通常の光景である環境なのもよかったなと思います。

算数楽しい!が復活してからは、少しでも点を取って学校のライバルに勝ちたい、塾のクラスも上がりたいの好スパイラルが始まりました。

それからは、苦手単元に自ら向き合い、うんうん唸っては友達や先生に尋ね、わっと解決する。クラス昇降に一喜一憂し、また宿題に向き合うという自立した算数男子となっていきました。

 

今、息子は「最初からサピだったらもっと上を目指せたかも」と言います。

 そうかもしれないねぇと返事しつつ、中受未経験の親として、あそこでサピに入れる勇気はなかったのも事実です。その代わり、家庭教師を入れることができたのはN特待のおかげだし、息子の性格や精神年齢に見合った、そこそこ良いルートだったのではと思うのです。

たしかに、最初からサピに入れてサピ一本で済んでいれば、家庭教師伴走期間の費用分、安く済んだでしょう。
いやでも、うちの子がサピに着いていけるかなんて、全然自信がなかったですよ。

サピ大変、サピ凄いと怖い噂ばかりだったし、学校の面談でも中規模なとこがいいと言われましたし、成績もせいぜい中の上だったうちの子が、特待で日能研に入れたら、その方がきっと手厚く指導してもらえると思ってしまいますよ。

親として、我が子に対する見極め、塾への見極めが足りなかったですね。つくづくと反省です。

しかし、結果として息子はサピの持ち偏差値よりかなり上の第一志望校に滑り込めたので、「順当だったね」とそこに入るより、少し回り道はあっても、追い上げで間に合わせて「入った~!」というスリルと感動を味わえたのはよかったんじゃないの?と母は勝手に思っています。

今も、数学は楽しいと日々頑張っているし、いろいろな出会いが彼の学力を押し上げる力になったと信じています。